【デイサービス】仕事内容とは?1日の流れや種類その特徴を解説します!
介護職として転職や就職を検討されている方で「デイサービスはどんな仕事内容なの?」「私にも出来るの?」と悩まれているのではないでしょうか?
「デイサービス」は夜勤がなく、定休日もあるため転職や就職先として人気があります。
しかし、よく理解しないで転職してしまうと、実は「お泊り」が出来るデイサービスで「夜勤があった!」と失敗することもあります。
そんな悩みを解決するため、今回の記事は「デイサービス」の仕事内容や種類とその特徴などを解説します。
この記事は他のサイトでは絶対に書けないリアルな状況をお伝えしますので、最後まで読んで頂くと自分に合っているデイサービスの見つけ方が分かります。
デイサービス(通所介護)とは?
要介護高齢者に対して日帰りで介護サービスを提供する施設です。
ご自宅から施設までの送迎を行い、食事や入浴、排せつなどの日常生活上の支援を行います。
生活機能向上のための機能訓練(リハビリ)やグループ活動(レクリエーション)などの高齢者同士の交流を図り、運動不足や孤独感を解消させる目的があります。
デイサービスは介護保険制度では「通所介護」と明記されています。通所介護と言っても分からない方が多いので「デイサービス」と呼ぶことが一般的です。
デイサービスの目的・役割
ご利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう下記の目的や役割があります。
- 「孤独感の解消」:高齢者は社会的な役割が希薄となり、自宅に引きこもることが多く、刺激の少ない生活で「孤立感」を感じる方が多いです。
- 「心身機能の維持」:自宅に引きこもることで、運動不足により筋力低下や認知症を引き起こす要因となります。
- 「ご家族の介護負担軽減(レスパイトケア)」:デイサービスに通所している時間はご家族にとっては、自分の時間を過ごし、気分転換を図ることが出来ます。また、ご家族に対しても「介護方法の助言や労い」をすることで介護が長続きするためにもとても重要です。
デイサービスを利用開始する目的は「③ご家族の介護負担軽減」が圧倒的に多い。家族が共働きで日中独居や高齢夫婦による老老介護などでサービスを必要としている方が多いからです。
デイサービスに通所することで「①孤立感の解消」「②心身機能の維持」のを役割を果たしていくのです。
レスパイトとは「息抜き」「休息」などの意味です。デイサービスに通所することで、ご家族は一時的に「休息」し、介護の負担を軽減させること。
デイサービスの利用対象者
デイサービスを利用できる方は「要介護1以上」となっています。
要介護1・2の合計割合が66.7%と比較的軽度の方が多くご利用されています。
要支援の方も「介護予防通所介護(デイサービス)」自治体のサービスとして利用可能です。
車椅子への移乗やベッド上のオムツ交換などの身体に負担が掛かる業務は比較少ないため、介護職にとってはメリットです。
こちらの表は:平成29年要介護度別利用者数の構成割合/厚生労働省から引用して作成しました。
要介護1 | 要介護2 | 要介護3 | 要介護4 | 要介護5 |
---|---|---|---|---|
36.1% | 30.6% | 17.3% | 10.1% | 5.4% |
デイサービスの種類と特徴
「デイサービス」と「デイケア」は名前は似ているけど全く違う介護施設です。
「デイサービスは夜勤はない」と思っている方は多く、実は「お泊りデイサービス」もあり夜勤もある。
一言で「デイサービス」と言っても働き方も異なるため最低限のポイントは理解する必要があります。
デイケア(通所リハビリテーション)
老人保健施設(老健)や病院、診療所と併設していて、医師やリハビリ専門家(理学療法士や作業療法士など)がいるのがデイケアです。
ご利用者はリハビリを目的として通いますが、介護職員の仕事である食事や入浴、レクリエーションなどはデイサービスと同様なところがあります。
デイサービスと同様に日帰りで介護サービスを提供する施設ですが、目的や役割が違います。
デイケアはご利用者が可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるよう、生活機能向上のための機能訓練や口腔機能向上サービスなどを目的として実施します。
本来はデイサービスの種類には入らないのですが、名前が似ているため、勘違いをしている方が多いので「デイケアとデイサービスの違い」をまとめましたので、チェックしてみてください。
大規模デイサービス(通所介護)
1日利用者定員19名以上と決まっている。
通常規模型は延べ利用者数月300超~750名以下となっています。1日利用者定員30名ほどが利用されている。通常規模型が一般的にイメージされる「デイサービス」と言えるでしょう。
一方で大規模デイサービスの基準は大規模型(Ⅰ)は延べ利用者数月750超~900名以内、大規模型(Ⅱ)は延べ利用者数月900名人以上となっています。
1日利用者定員40名から50名ほどと多くの方が利用されており、その分職員数も多いため活気がある雰囲気で働くことができるのが特徴です。
小規模デイサービス(地域密着型通所介護)
1日利用者定員18名以下と決まっている。
少人数なので、個別ケアと重視しアットホームな雰囲気で働くことができるのが特徴です。
介護職員未経験で働くには良いと思います。
認知症デイサービス(認知症対応型通所介護)
1日利用定員は12名以下で文字通り、認知症がある方が利用するデイサービスです。
徘徊や暴言・暴力行為、帰宅願望が強いなどで通常デイサービスでは受入れが難しい方がご利用されていることが多い。
介護職員未経験で働くには、少しハードルが高いです。
認知症に対する研修制度も充実しているため介護スキルは非常に高くなります。
お泊りデイサービス(通所介護)
デイサービスにご利用者の宿泊できる設備があるのが特徴です。普段行き慣れているデイサービスに夕食・朝食付きでそのまま泊ることが出来る。新たな宿泊サービス(ショートステイなど)を探す必要もないため、ご家族の介護負担軽減にもなる。
宿泊できるベッド数は最大9名以下とすることになっている。
常勤の介護職員は「早番」「遅番」「夜勤」がある。夜勤専従の職員も雇用していることも多い。土日も営業している場合がある。
介護職員未経験で働くには、少しハードルが高いです。
デイサービス仕事内容
デイサービスの役割で解説した通り、要介護1以上の高齢者に対して「孤独感の解消」「心身機能の維持」を目的に日帰りで介護サービスを提供する施設です。
ここではデイサービスの職員体制や1日の流れ、働くメリットデメリットを解説します。
職員体制
デイサービスでは介護職だけではなく、看護職やリハビリ、生活相談員など様々な職種で成り立っています。
定められた人員配置基準(職種と人数)も合わせて解説します。
管理者
常勤1名の配置が決められています。
資格要件は特にありませんが、特養との併設型は特養の施設長が兼務していることがあります。
デイサービス単独型は管理者が生活相談員と兼務していることがあります。
生活相談員
1名以上の配置が決められています。
資格要件は社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事が必要です。自治体によっては介護福祉士でも可能です。
業務内容はご家族との連絡帳やり取りや介護現場との調整機能、担当ケアマネとの連携、利用スケジュール管理、通所介護計画の作成、サービス担当者会議出席、介護請求業務、職員シフト管理などがあります。
管理者や常勤の介護職が兼務することもありります。
看護職員
1名以上の配置が決められています。
資格要件は看護師、准看護師が必要です。
病院、訪問看護ステーション、診療所といつでも業務連携を取れるようにしていれば、看護職員不在の場合があります。
業務内容は利用者の健康管理、バイタル測定、入浴時の処置、インスリン管理、服薬管理などがあります。
介護職員
利用者定員15名では1名以上の配置が決められています。
また利用者数が1名増すごとに0.2名加えた介護職員を追加で配置が決められています。
例えば、利用者定員30名の場合は介護職員は4名以上となります。
- 利用者定員15名:介護職員1名以上
- 利用者定員20名:介護職員2名以上
- 利用者定員25名:介護職員3名以上
- 利用者定員30名:介護職員4名以上
- 利用者定員35名:介護職員5名以上
業務内容は利用者の直接介護や間接業務、レクリエーション、送迎の添乗などがあります。常勤の介護職が求められるスキルはご家族との連絡帳やり取りや介護現場との調整機能です。
ここがポイントです。ここからはどこのサイトでも書けないリアルをお伝えします。
求人票だけでは分からない、介護職員は生活相談員を兼務しているのか?常勤で働く介護職員、派遣やパートで働く介護職員の人数や割合など必ず確認してください。
デイサービスの多くは派遣やパートで働く介護職員の割合が高い傾向にあります。
しかし、常勤で働く介護職員が極端に少ないデイサービスは職員に負担が掛かり「危険」です。
それは、利用者定員が少ないほど顕著です。
これは20年以上介護業界にいる経験上の感覚です。
利用者定員35名の場合(介護職員5名以上配置)
ホワイトなデイサービスは介護職員の決められた配置基準+3名が適切な人員配置だと考えています。それ以下になると、職員は休みと取りずらく、疲弊していきます。
常勤の介護職員4名(うち2名は生活相談員兼務)、派遣やパート4名(常勤換算)合計8名です。これくらいがホワイト基準です。
仮に常勤介護職員が週に働く時間を40時間(1日8時間×5日間)を1名と基準とします。
パートAさんは週20時間(1日5時間×4日間)働いた場合、週40時間の半分なので0.5名となります。
パートBさんも同じように週20時間働いた場合0.5名
パートAさんとBさんを合わせて、常勤介護職員と同じ「常勤換算」で1名となります。
介護職員として働くなら、絶対にホワイトなデイサービスを選んでください。
チェックポイント
- 利用者定員を確認(介護職員の配置基準が分かります)
- 常勤介護職員の人数、生活相談員を兼務しているのか?
- 派遣やパートの人数および常勤換算での人数
- 送迎で自ら運転する業務はあるのか?
採用担当者に問い合わせて確認するのがよいですが、ハードルが高い方は「介護職に特化した転職サイト」に登録するのがおすすめです。
気になったことを登録した転職サイトのエージェント(担当アドバイザー)に聞いてもうらことも出来るので気が楽です。
機能訓練指導員
1名以上の配置が決められています。
資格要件は理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護師、准看護師、あん摩マッサージ指圧師、柔道整復師が必要です。はり師・きゅう師は一定以上の実務経験を有する必要があります。
リハビリ専門職としてご利用者の身体機能向上や数人で行う体操、ストレッチ、器具を使った筋力トレーニングなどを計画的に実施することが仕事です。
その他、リハビリ計画の作成や計画した内容を評価などのもあります。
送迎運転手
配置基準の決まりはありません。
資格要件は自動車普通免許が必要です。
自宅から施設間の送迎運転手、軽自動車などでの送迎は介護職員が運転することもある。
ここもポイントです!
多くのデイサービスが通常実施しているケースとして、運転手は年配男性であることが多い。介護職員は添乗として、自宅玄関から車輛の乗り降り介助、車椅子の操作などを担当する。
送迎時がご家族と直接話しことが出来るため、一言でよいので「普段の様子」を伝えていくことで安心にも繋がり、時には「介護相談」を受けることもある。
車の運転が好き、外に出て一人になる時間が好きなど人によってはメリットと感じる方もいる。
しかし、デメリットと感じる方は事前に確認した方がよい。
デイサービス1日の流れ
ここではデイサービスの1日の流れを解説します。1日の流れが理解できると仕事のイメージが湧くと思います。
8:00/始業・送迎開始
ご利用者が体調不良等での当日お休み確認や昼食の食札チェック、温かいお茶の準備をします。浴室も温めておきます。
9:00/利用者到着・バイタル測定・入浴・連絡帳チェック
順次ご利用者が到着後、看護職員がバイタル測定、健康チェックをします。その後、介護職員は入浴介助に入ります。
連絡帳はご家族からのコメントが記入されています。そのコメントに対して対応していきます。
「昨晩、自宅ベッド柵に手をぶつけて、傷になっている。」「下剤を服用したので、排便があったか確認してほしい。」「全身が乾燥しているので、クリームを入浴後に塗ってほしい。」など
時には今困っている介護相談を受けることもあります。それに対しても具体的なアドバイスや担当ケアマネに連絡して相談したりと、ご家族を支える役割も担っています。
11:00/リハビリ・トイレ介助
機能訓練指導員は個別でのリハビリや全体に向けての体操、ストレッチなどを行います。その他、介護職員は昼食前のトイレ介助を行います。
12:00/昼食
ご利用者の状態に合わせて、きざみ食やペースト食などを用意して配膳、片付けを行います。むせ込み誤嚥のリスクがあるためご利用者の観察を行います。昼食後は看護職員が服薬介助、介護職員は口腔ケアやトイレ介助を行います。
12:30/職員休憩(交代で入る)
介護職員は交代で昼休憩に入ります。ご利用者はお昼寝する方やTVを見る方などその方々に合わせて介助していきます。
14:00/レクリエーション
ご利用者が楽しく参加できるように工夫して企画しています。
①身体を動かすゲーム(ボール渡し、風船バレー、輪投げ)
②脳トレゲーム(間違え探し、漢字クイズ、旗揚げゲーム、連想ゲーム)
③工作(カレンダー、壁画、イベント飾り)
家族との連絡ツールとして「連絡帳」を活用している事業所は多いです。
利用時の様子や食事摂取量、排尿排便の有無などを記入しています 。家族からコメントがあれ
15:00/おやつ 趣味活動
お茶やコーヒーなどと一緒におやつを提供しています。
生活相談員や介護職員は「連絡帳」記入を行います。朝のコメントに対して結果を伝えています。「傷口はガーゼ保護しました。」「昼食後に排便がありました。」などをしっかりお返事することでご家族も安心されます。
15:30/送迎開始(帰宅)
自宅までの帰り送迎です。レクリエーションで作った工作を持ち帰ってもらったり、デイサービスでの様子をご家族に口頭でお伝えしています。
17:00/片付け・そうじ(消毒)・ミーティング
テーブルや椅子、手すりなどの消毒、トイレや床などの掃除を行います。
ミーティングは翌日の送迎ルートの確認や業務の課題点を挙げて、改善策を話し合いを行います。
17:30/送迎終了・終業
1日お疲れさまでした。明日もご利用者の笑顔が引き出せるようがんばりましょう!
デイサービスで働くメリット
職員体制や1日の流れで、デイサービスを少し理解いただけたと思います。
ここでは、デイサービスで働くメリットをお伝えします。
- 夜勤がなく日中に働くことが出来ます。
- 基本的に日曜日がお休みであることが多い。
- ご利用者の自立度が高いため身体にかかる負担が少ない。
- レクリエーションでご利用者に喜んでもらえる。
- 送迎時ご家族から直接感謝の言葉をもえらる。
ご利用者との信頼関係を築くことができると「あなたが居るから来るのが楽しみ」と言ってもらえるとご利用者の生活を支えとなり役に立てていると実感します。
「やりがい」を感じることができるのが、デイサービスで働く最大のメリットです。
デイサービスで働くデメリット
「やりがい」だけでは仕事が続かない。一番気になる給料についてお伝えします。
サービス種別毎に平均給与をデータに基づいて発表していきます!
参考1表 介護職員の平均給与額等(月給の者),サービス種類別,勤務形態別(介護職員等特定処遇改善加算及び介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所)
表示ダウンロード(PDF)345ページ目です。
サービス種別 | 給料 |
---|---|
特別養護老人ホーム (特養) | 347.520円 |
老人保健施設 (老健) | 338.280円 |
通所リハビリテーション (デイケア) | 305.100円 |
通所介護 (デイサービス) | 276.680円 |
デイサービスで働く介護職員は平均給与額は、約27.6万円でした。特別養護老人ホームや老人保健施設は夜勤などがあるため30万円を超えています。
特養と老健は介護業界では給料はトップクラスです。
比較してほしいのが同様に日中で働く「通所リハビリテーション(デイケア)」の方が高い傾向にあるようです。
デイケアが給料が高い理由(これは根拠はなくありませんが、長年介護業界で働く経験上の話)
デイケアは老人保健施設(老健)や病院、診療所などの医療法人と併設されています。比較的規模も大きい施設が多く、スケールメリットがあり給料が高い傾向にある。
一方でデイサービスは多くは単独施設でもあり、経営が安定しない施設もあり、給料を低くしている傾向にあります。
そのため、デイサービスで働くなら、特別養護老人ホームと併設型や規模の大きい株式会社や社会福祉法人などが経営しているデイサービスをおすすめです。
【まとめ】デイサービスに向いている方へ
ここまで記事を読んでいただき、ありがとうございます!
デイサービスは未経験や無資格でも活躍ができる介護施設です。
最後にデイサービスに向いている方について紹介します。
- レクリエーションを企画してご利用者と一緒に楽しみ「笑顔」がたくさん見られる!
- 家族との距離が近く「感謝」されることが多い!
- 「夜勤がない!」朝8時頃から夕方5時頃までの営業時間の施設が多いのでライフワークバランスが取りやすい。
- 「土日休み」のデイサービス求人もあるので、ライフワークバランスが取りやすい。
- 利用者とのコミュニケーションが楽しめる。昔の話や「おばあちゃんの知恵袋」知識が得られる
- 介護施設によっては送迎の運転業務があり「こんな道があるんだ」と道を覚えられ、町の新たな発見がある。
- 自宅で使用する福祉用具や医療の知識が得られる。介護用の住宅改修方法や玄関スロープや置型手すり、在宅酸素の使い方や医療知識が得られる。
「魅力」だと感じた方は「デイサービスの介護職に向いています!」
仕事ですから、大変なこともたくさんあります。だけどそれ以上に得られる「楽しさ」「生きがい」を感じることが出来る仕事です!